1.カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーとは、ユーザーが商品やサービスと出会ってから実際に購入するまでの一連の流れを「旅 = Journey」に例えたものです。
ユーザーが商品を認知してから購入するまでのプロセスで、ユーザーと商品の接点は多く存在します。このプロセスにおけるユーザーの行動には、心理や感情が伴っています。カスタマージャーニーでは、これらを一本の線でつなぎ、全体像として捉えます。
2.カスタマージャーニーを作る前に
カスタマージャーニーの作成する前にまずは前提条件を確定しておく必要があります。
目的の設定
最初に目的の設定を行います。カスタマージャーニーを作成することで、得たいものは何かをはっきりさせる必要があります。目的が不透明だと、その後の意思決定で優先順位を決めることが難しくなります。
例えば、目的を既存顧客の継続にした場合、認知拡大の施策を考えるより、アフターフォローを充実させるべきだと明確に判断できます。
ペルソナ設計
次にペルソナ設計をします。ペルソナとは、ターゲットに詳細な情報を付け加えた、リアリティのあるユーザー像のことです。基本情報から、価値観、悩みなどを細かく設定することで、このペルソナのニーズを具体化し、適切な戦略を立てることができます。
詳しくはこちらの記事で紹介していますので、併せてご覧ください。
3.カスタマージャーニーの作成手順
目的設定とペルソナが確定したらいよいよ具体的にカスタマージャーニーを作成していきます。
フェーズ設計
ペルソナの購買行動を基に、購入至るまでのユーザーの状態を整理します。これをフェーズと呼びます。目的に応じてフェーズ設計が変化することにも注意してください。
例えば、新規顧客をターゲットにした目的であれば、スタートは「認知」になりますが、既存顧客の場合「興味・関心」がスタートになります。商品の「購入」「継続利用」など目指すゴールも変わります。
購買行動のモデルはこちらでも紹介しています。これらを参考にし、自社商品に適切なフェーズを見つけましょう。
今回はフェーズを「認知・興味」→「検索・情報収集」→「比較・検討」→「行動」→「共有・継続」で考えます。
ペルソナが行動をする際の思考や感情を整理します。
感情では喜怒哀楽の上下、思考は「この商品おもしろそうだな」「他に良いものはないかな」のようにペルソナの考えていることを指します。
タッチポイント/チャネルを明確にする
タッチポイントとは、ユーザーと商品やサービスの接点になります。CM、広告、検索ページがタッチポイントにあたります。
チャネルはタッチポイントを実現する媒体経路を指します。テレビ、新聞、スマートフォン、PCがそれにあたります。
行動を整理する
次にペルソナの行動を考えます。
ペルソナがどんな時にどのような行動をするのかを洗い出します。その行動を先程のフェーズやタッチポイントごとに分類しましょう。
感情・思考を整理する
ペルソナが行動をする際の思考や感情を整理します。
感情では喜怒哀楽の上下、思考は「この商品おもしろそうだな」「他に良いものはないかな」のようにペルソナの考えていることを指します。
自社アクションを考える
以上の項目をもとに、可視化された情報から現状を分析し、自社アクションを考えます。ペルソナの行動・感情・思考を考慮できていなかった部分を中心に施策を考えましょう。
この記事では、カスタマージャーニーとは何か、作成方法や具体例を紹介しました。
カスタマージャーニーを作成する際、徹底的に顧客視点に立つことが重要です。自社で主観的に考えた理想とする行動や感情ではなく、ペルソナの客観的な現状を基に作成しましょう。
また、ペルソナの現状は絶えず変化します。作成した後も、バージョンアップを心掛けましょう。
カスタマージャーニーを有効活用して、顧客視点に立ったマーケティング活動をしましょう。