1.LTVとは?
早速ですが「LTV」という言葉を聞いたことはありますでしょうか??
これはLife Time Valueの略称で、顧客が生涯を通じてその企業の商品やサービスを購入した金額の合計の事です。
ちなみに、ここでいう生涯は人間の一生を指すのではなく、顧客が商品・サービスを購入して取引を開始してから使わなくなって終了するまでの間を指します。
LTVは、商品やサービスへの信頼や愛着(顧客ロイヤリティ)が高いと自然とLTVが高くなる傾向にあります。
マーケティング界隈でこのLTVを重要視する考え方が広まってきています。
では、なぜここまで重要視されるのでしょうか?
まずはその部分から触れていきましょう。
2.なぜ重要視されているのか?
このLTVが重要視され始めた一番の要因は「新規顧客の獲得」が難しくなったからだと考えられます。
その理由は大きく分けて3つです。
①少子高齢化
現代社会では少子高齢化が問題視されていますよね?
少子高齢化の影響により、国内の顧客数は減少の一途にあります。
つまり、少子高齢化が進めば進むほど母数の少ない顧客を奪い合う状況に陥ることが予想されます。
この影響によって一人ひとりの顧客が持つ価値は相対的に上がります。
②サブスクリプション形式のビジネス
近頃、サブスクリプション形式のビジネスが増えています。
それらは、音楽や動画だけではなく、食べ物・飲み物、服、香水など多岐にわたります。
このサブスクリプション形式のビジネスでは、簡単に登録出来たり自動で契約継続処理をされるため、解約率は比較的低くなります。
つまり、顧客は1つのサブスクに長期的な関係性を持つことになります。
そうなれば、類似性のあるビジネスとの契約に対して能動的に動く顧客層は少なくなります。
③1:5の法則
この1:5の法則は、「新規顧客の開拓は既存顧客の維持よりも約5倍のコストがかかる」という法則です。
売上額は同じであるにも関わらず、新規顧客を獲得するコストの方が高いため、結果的に利益率は既存顧客と比べて低くなるということです。
以上3つの要因により、現代では新規顧客の獲得が難しいとされています。
そんな状況の中、どのようにしてビジネスを継続させていくのか?
そうなると、既存顧客の維持が重要になってくることは一目瞭然でしょう。
ここでLTVの出番というわけです。
3.LTVの計算方法
LTVの計算方法はたくさんあります。
今回はその中から比較的有名なものを紹介します。
今回は6種類の算出方法を紹介しましたが、このほかに何通りもの算出方法があります。
顧客一人一人、個別のLTVを算出することも可能です。
細かく分析する方が理想的であることは間違いありませんが、その分労力がかかることは事実です。
計算をする前に、何をどのくらい明らかにしたいのかを考え、目的にあった計算方法・細かさで計算することをおすすめします。
4.LTVの向上は何に役立つのか?
ここまで、LTVの基本事項について解説してきました。
では、実際のところ、LTVが向上することによってどのような変化が起こるのでしょうか?
ここからは2つ項目をあげ、解説していきます。
①低コストで売上アップ
1つ目は、低コストで売上アップが見込まれる点です。
先ほど説明したように1:5の法則で考えてみても、既存顧客の割合が多ければ多いほど低コストでの収益獲得が見込まれます。
また、既存顧客の単価・購入頻度の割合を増やすことによって売上は維持・向上が予想されます。
②安定した売り上げ確保
2つ目は安定した顧客の確保です。
新規顧客は仮に一度購入してくれたとしても、比較的離脱する可能性は高い傾向にあります。
一方、ロイヤルカスタマーは商品のファンであることが多く、離脱しにくい傾向にあります。
ここまでの解説で、いかにLTVがこれからのビジネスのために重要であるのか理解していただけましたでしょうか。
次はいよいよLTVの向上のために何ができるのかをご紹介していきます。
5.LTV向上のためにできること
①購入単価を高める
まず1つ目は購入単価を高めることです。
例えば、
・より高額なプランに変更してもらうように促す(アップセル)
・まとめての購入を促す(クロスセル)
・決済手段を増やす
などがあげられます。
②購入頻度を高める
2つ目は、購入頻度を高めることです。
具体的な方法としては、
・ポイント制度導入(リピート・連続した来店促進)
・会員ランクの導入(ランクアップを目指す顧客の購入意欲促進)
・スタンプラリー(顧客の囲い込み)
・クーポン配布(次回の来店促進)
・サブスクリプション
などがあげられます。
③継続期間を延ばす
3つ目は継続期間を延ばすことです。
方法として
・契約前に商品の情報提供や利用促進(契約後のギャップ解消)
・継続利用促進のための情報提供(顧客から存在を忘れられないようにする)
・定期的なコミュニケーション(信頼関係の構築)
・解約が予測されるタイミングでのプレゼント(解約回避)
などがあげられます。
現代のビジネスでは、顧客ひとりひとりと向き合うことが非常に大切になっています。
LTVの向上はビジネスとして発展していくために重要な一つの戦略であり、大きなカギを握っています。
このLTVという数値とも向き合っていくことが収益の最大化につながるでしょう。