これだけはおさえておきたい!基本の広告指標を分かりやすく解説! 福山・尾道マーケティング・コンサルティングの株式会社カラバオ

マーケティング

これだけはおさえておきたい!基本の広告指標を分かりやすく解説!

By Lulu



スマートフォンやパソコンなどの普及によって、私たちが生活する中でWeb広告を目にしない日はないと言っても過言ではありません。企業の活動においても広告の存在は大きくなっています。

しかし、効率的な広告宣伝を行うのであれば、ただ単に広告を掲載するだけでよいというわけではなく、「広告の効果はきちんと発揮されているのか」「利益が生まれているのか」ということを確認することも重要です。

今回はその広告の効果を確かめる際に使用する基本の広告指標について、解説していきます。

1.広告指標

まず、広告指標とは何かというと、その広告が持つ効果を分析したり、判断したりするために用いるデータのことを表しています。今回は以下の11個の広告指標を取り上げます。


インプレッション(Impression)

インプレッション(Impression)は、直訳すると「印象」を意味します。これが語源となって、広告がディスプレイ上に表示されることをインプレッションといいます。インプレッションは、Web上に広告が表示された回数自体を表すため、同じ人が2回広告を見た場合は、インプレッションは2回とカウントされます。

広告が表示されないことには、リンクがクリックされたり、コンバージョンが達成されたりなど、顧客の獲得につながるアクションが起こることもないため、インプレッションを増やすことは広告を掲載する上でとても重要なことになります

インプレッションを増やす方法

・キーワードを増やして網羅性を高める
キーワードを増やすことで、広告が表示されるチャンスとなる母数を増やすことができます。

・予算を増やす
予算を増やすことで、広告に使える予算が増えます。そうすることで、広告を表示できる回数が増え、インプレッションを増やすことができます。
 
インプレッションは、さまざまな広告指標を分析する上でもよく登場するので、おさえておきたい広告指標の1つです。しかし、インプレッションの数値だけを見て、広告の効果を的確に分析することはできません。インプレッションと他の指標を組み合わせて分析する必要があります。

リーチ(Reach)

リーチ(Reach)は、直訳すると動詞で「到達する、手が届く」、名詞で「届く距離、範囲」を意味します。この意味の通り、Web広告におけるリーチとは、広告を見た人の数(広告が届いた範囲)、広告の到達率を表します。

そのため、上のインプレッションとは異なり、同じ人が2回以上同じ広告を見ても、リーチは1のままです。また、同じような意味を表す言葉に、ユニークユーザー(Unique User)という言葉があります。リーチは、インプレッションとの違いとともに理解しておきたい広告指標です。

CTR(Click Through Rate): クリック率

CTR(クリック率)は、Web上に広告が表示された回数(インプレッション)に対して、どれだけクリックされたかの割合を表す広告指標です。算出方法は以下の通りです。

「CTR(クリック率)(%)=(クリック数÷インプレッション)×100」

インプレッションが多ければそれだけ多くの人の目に広告が触れたことを意味しますが、それらの全てが広告のリンクのクリックやその先のコンバージョン(成果)の達成につながるとは限りません。

そのため、クリック率を高めること、つまり、インプレッションに対するクリック数を増やすことはインプレッションを増やすことと同様に重要なのです。

クリック率を高める方法

・広告文やクリエイティブを工夫する
広告に興味を惹かれるか、リンクや見出しが広告の内容を的確に表しているかを見直すことで、ユーザーが広告をクリックする回数が増えることが考えられます。

・ターゲットを見直す
クリックにつながりそうな興味関心の強いユーザーに広告を表示することで、1つの広告に対するユーザーのクリック率を高めることができます。広告が表示されるユーザーのニーズに合っているか、適切な検索キーワードが含まれているかを見直し、インプレッションを質を保ちながら増やすことが重要になります。

CPC(Cost Per Click):クリック単価

CPC(クリック単価)は、Web上に表示された広告がクリックされたとき、その1クリック当たりの広告費を表している広告指標です。算出方法は以下の通りです。

「CPC(クリック単価) = 広告費 ÷ クリック数」

主に、リスティング広告などクリック課金型の広告において用いられます。
CPCは、広告の費用対効果に関わってくるため、正しく理解しておきたい広告指標の1つです。

Googleの広告において、CPCは「広告ランク」と呼ばれるものが大きく影響しています。この「広告ランク」は、広告を出稿する際に設定した、CPCの上限目安となる価格である「入札単価」や、広告の質の目安を1から10の10段階で表した「品質スコア」など複数の要素をもとにして算出されています。

このランクを参考にして、同じキーワードやターゲットに対して出稿された広告同士での「オークション」が行われ、広告の掲載順位などが決められているのです。

一般的に、CPCは安価である方が良いとされていますが、後ほど説明するCV(コンバージョン)やCVR(コンバージョン率)が高ければ、必ずしもCPCが安価である必要はありません。そのため、CPCの数値のみで判断するのではなく、他の広告指標と組み合わせて分析する必要があります。

CPC(クリック単価)を下げる方法

・入札単価を下げる
 1クリックのコストの上限が制限されるため、CPCも下がるという非常にシンプルな方法です。しかし、基本的には、入札単価が高い広告の方が表示されやすく、クリックされやすい傾向にあります。また、入札単価は、広告の掲載順位が決まる要素の1つにもなっているため、入札単価を低く設定することは、広告の表示回数を減らすことにつながる可能性も考えられるのです。

・広告の品質スコアを高める
 広告の品質スコアはCPCに影響を与える要素の1つです。そのため、入札単価を下げるだけではなく、広告の品質スコアを高めることもCPCの改善には非常に有効です。検索キーワードと広告の関連性を高めたり、ユーザーが興味を惹くような見出しや広告説明文を加えたりすることで、広告の品質が上がり、クリックされやすい広告を作成することができます。

・競合との重複を避ける
 競合が少ないキーワードを設定してターゲティングを変えたり、除外キーワードを設定することでリーチするユーザーを制限したり、配信媒体を変えたりして差別化をすることによって、競合との広告に埋もれることなく、ユーザーに広告が届くため、クリックにつながる可能性が増えることも考えられます。

CPM(Cost Per Mile)

CPMは、ユーザーのWeb上に広告が1,000回表示されるごとにかかる費用を表す広告指標です。上のクリック課金型のCPC とは違い、ディスプレイネットワーク広告やSNS広告などインプレッション課金型の広告で用いられます。算出方法は以下の通りです。

「CPM =(広告費 ÷ 広告の表示回数)× 1000」

広告がクリックされたかどうかに関係なく、ユーザーのWeb上に表示された回数でカウントされます。インプレッション課金型の広告は、商品の販売よりも、多くのユーザーに商品を見てもらったり、知ってもらったりするブランディングを広告出稿の目的とする場合に多く採用されます。

2.広告指標

ここからは獲得(成果)に関連する広告指標を紹介します。

CV(Conversion):コンバージョン

コンバージョンは、直訳すると「転換、切り替え」を意味しますが、Web広告では、広告により得られた「成果」を意味します。

広告を運用する目的を達成したかどうかを判断する指標であるので、最も重要な広告指標であるといっても過言ではありません。

目標とする行動は、それぞれのサイトによって異なり、商品の購入や資料請求、サイトの登録などがあります。コンバージョンの増減は他の広告指標と組み合わせて分析する必要があります。

CVR(Conversion Rate):コンバージョン率

CVR(コンバージョン率)は、クリックされた回数に対するコンバージョンを達成した割合を表す広告指標です。算出方法は以下の通りです。

「CVR(コンバージョン率)(%)=(CV(コンバージョン数)÷ クリック数)× 100」

コンバージョン率を改善する方法

・コンバージョンのポイントを変更する
商品の購入までを行うことをコンバージョンとしていたものを、商品の購入ではなく、サイトへ登録することをコンバージョンの達成とするというように変更するのです。目標としていたコンバージョン地点の変更により、コンバージョンを達成する可能性が高くなることもあります。

・コンバージョンを達成するまでのプロセスを簡易化する
ユーザーの視点から考えると、商品を購入するまでやサイトに登録するまでに、いくつ
も手順があると手間になってしまい、途中でやめてしまう可能性もあります。それを防ぎ、確実にコンバージョンを獲得するためにも、プロセスの簡易化は効果的であると考えられます。

・流入するユーザーの数を絞りこむ
この方法には2つのパターンがあり、1つはCVRの低いユーザー層が広告に到達する回数を減らすというもので、もう1つは反対にCVRの高いユーザー層に絞って広告を配信するというものです。除外キーワードの設定が方法の1つとして挙げられます。

・広告説明文やLP(ランディングページ)を変更する
広告説明文やLP(ランディングページ)と広告内容の関連性を高めることで、ユーザーに自社の商品やサービスの内容を明確にわかるようにします。

CPA(Click Per Action):獲得単価

CPA(獲得単価)は、1件のコンバージョンを達成するのにかかった費用を表しており、費用対効果を確認するための広告指標です。算出方法は以下の通りです。

「CPA(獲得単価)= 広告費 ÷ CV(コンバージョン数)
           = CPC(クリック単価)÷ CVR(コンバージョン率)」


まずは、上の算出方法について解説します。

クリック課金型の広告において、広告費は、1クリック当たりの価格とクリックされた回数によって決まります。
つまり「広告費 = CPC(クリック単価) × クリック数」で表すことができます。

また、コンバージョン数は「CVR(コンバージョン率) = コンバージョン数 ÷ クリック数」という算出式から、「コンバージョン数 = CVR(コンバージョン率) × クリック数」と表すことができます。これらを整理すると以下のような式が成り立ちます。



このようにして、「CPA(獲得単価)= CPC(クリック単価)÷ CVR(コンバージョン率)」という式を導き出すことができます。一般的に、CPAは安価である方が費用対効果が良いということを表しており、望ましいとされています。

しかし、全ての場合があてはまるわけではありません。

例えば、大手通販サイトなど価格の異なる複数の商品を扱っている企業で考えてみます。CPAが¥1,000であるときに¥3,000の商品やサービスを販売できている場合は、自社に¥2,000ほどの利益がありますが、CPAが¥800であるときに¥300の商品やサービスを販売している場合は、CPAは安価ではありますが、自社に利益はなく、むしろ損失が発生しています。

このように、CPAの数値を単独で分析するのではなく、他の要素を考慮して分析に用いる必要があります。

また、CPC(クリック単価)とCVR(コンバージョン率)に着目すると、次のような分析ができます。

CVRが上がっている場合は、広告がユーザーに対して効果的に届いていることを表しており、反対に下がっている場合は、広告を配信するターゲティングに課題があることが原因の1つとして考えられます。本来訪れてほしいユーザー以外も多くサイトに訪れている可能性があるため、除外キーワードの設定や広告と検索キーワードの関連性を高めるなどの施策が必要になります。

そして、CVRが高く、CPCが抑えられている場合は、競合が少ないが自社ターゲットのニーズに合っていると考えられます。

一方で、CVRとCPCがともに高くなっている場合は、自社ターゲットのニーズを捉えて配信はできているものの、競合も同様のターゲットに対して配信をおこなっており、競争率が高い可能性があります。

成果目標に合っていないCPCの高いキーワードの配信を停止したり、競合の少ないキーワード設定し配信のターゲティングを変更したりすることで、クリック単価を抑えることができます。

CPA(獲得単価)を抑える方法

・CPC(クリック単価)を下げる
入札単価を下げることでCPC(クリック単価)を下げることができます。詳しくは、4.CPCの「CPC(クリック単価)を下げる方法」を参照してください。

・CVR(コンバージョン率)を高める
CVR(コンバージョン率)を高めることでもCPA(獲得単価)は抑えることができます。CVR(コンバージョン率)を高めるためにもっとも効果的な方法は、商品やその値段を変えたり、LP(ランディングページ)を改善したりすることですが、広告内でできることとしては、ターゲティングを見直し、コンバージョンに結びつきそうなユーザーへ広告を表示することが挙げられます。これにより、CVR(コンバージョン率)を高めることにつながります。

CPO(Cost Per Order):顧客獲得費用

CPO(顧客獲得費用)は、顧客が商品やサービスを購入し、それを受注した時にかかった1件あたりの広告費を表しています。これも広告の費用対効果を確かめるための広告指標です。算出方法は、以下の通りです。

「CPO(顧客獲得費用)= 広告費 ÷ 受注件数」

CPO(顧客獲得費用)が安価であるほど、効率的に受注ができていることを表すため、費用対効果が高いといえます。CPA(獲得単価)と同じで、1件あたりの広告費用を表しているのですが、それが受注件数1件あたりの広告費であるか、コンバージョン1件あたりの広告費であるかという違いがあります。

特に現代では、サンプルや資料を無料で配布して、そこから本商品の購入につなげるツーステップ方式を採用している企業も多いので、CPO(顧客獲得費用)の指標にも目を向けなければ、企業にとってどのくらいの利益があるのかを確かめることができません。

何をコンバージョンの達成と位置付けているかによって、うまく使い分ける必要があります。

ROAS(Return On Advertising Spend):広告の費用対効果

ROAS(広告の費用対効果)は、広告費に対して得られた売り上げの割合を表した広告指標です。広告費の何%の売り上げを上げることができたのか表しており、算出方法は以下の通りです。

「ROAS(広告の費用対効果)(%)=(売上 ÷ 広告費)× 100」

ROASは高いほど、広告によって得た売り上げが多いことを表していますが、1つ注意するべき点は、その広告が売上を上げていても、利益を生み出しているのかが分からないという点です。

売上が上がっていても、それに比例して広告費用がかさんでいれば、利益は生まれないからです。そのため、利益の有無を確かめるためには、次で説明するROIが用いられることが多いです。

3.その他

広告に限った指標ではないのですが、広告費は投資と考えられているので、投資に関する指標も紹介します。

ROI(Return On Invetiment):投資利益率、投資対効果

ROI(投資利益率)は、広告費に対して得られた利益の割合を表した広告指標です。

算出方法は以下の通りです。

「ROI(投資利益率)(%)=(利益 ÷ 広告費)× 100」

ROASが売上に着目しているのに対して、ROIは利益に着目しています。ROIが100%を越えていれば利益が出ており、100%を下回っていれば損失が生じていることを表します。
今回は広告指標とそれらが表す意味や関係性を整理していきました。広告指標を正しく理解することは、効率的で効果的な広告運用につながります。この記事が皆さんの広告運用の手助けになれば幸いです。

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Contents

  • 01 -広告指標

    インプレッション(Impression)

    リーチ(Reach)

    CTR(Click Through Rate): クリック率

    CPC(Cost Per Click):クリック単価

    CPM(Cost Per Mile)

  • 02 -広告指標

    CV(Conversion):コンバージョン

    CVR(Conversion Rate):コンバージョン率

    CPA(Click Per Action):獲得単価

    CPO(Cost Per Order):顧客獲得費用

    ROAS(Return On Advertising Spend):広告の費用対効果

  • 03 -その他

    ROI(Return On Invetiment):投資利益率、投資対効果

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