マーケティング施策を考えるとき、つい「広告を出す」「SNSを更新する」「動画を作る」「Webサイトを改善する」といった手段から考えてしまうことがあります。
もちろん、施策を動かすことは大切です。
ただし、同じ広告やWebサイトでも、誰に向けて届けるのかによって、伝える内容や見せ方は変わります。
たとえば、まだ自社の商品やサービスを知らない人と、すでに比較検討している人では、必要としている情報が違います。
まだ知らない人には、まず存在や価値を知ってもらう必要があります。
一方で、すでに検討している人には、選ばれる理由や安心材料を伝える必要があります。
つまり、マーケティングでは「お客さんが今どの状態にいるのか」を整理することが大切です。
この記事では、お客さんの状態に合わせて施策を考えるための基本を、できるだけわかりやすく整理します。
お客さんは、いきなり問い合わせるわけではない

多くの場合、お客さんはいきなり問い合わせや購入をするわけではありません。
まず何かを知り、興味を持ち、比較し、納得してから問い合わせや購入に進みます。
大きく整理すると、次のような流れです。
- まだ知らない
- 課題に気づく
- 情報を集める
- 比較・検討する
- 問い合わせる
- 購入・契約する
- 継続・紹介につながる
この流れの中で、お客さんが必要としている情報は変わります。
まだ知らない段階では、サービスの詳しい料金よりも「そもそもなぜ必要なのか」が大切です。
比較している段階では、実績、事例、費用感、進め方、他社との違いが重要になります。
問い合わせ前の段階では、「相談しても大丈夫そうか」「自社に合いそうか」「どこまで対応してくれるのか」といった安心感が必要になります。
このように、お客さんの状態によって、届けるべき情報は変わります。
ファネルとは、お客さんの状態を整理する考え方
お客さんの状態を整理する考え方のひとつに「ファネル」があります。
ファネルとは、直訳すると「漏斗」という意味です。
マーケティングでは、認知から問い合わせ・購入に進むまでに、人数が少しずつ絞られていく流れを表すときに使われます。
たとえば、広告やSNSで多くの人に知ってもらったとしても、その全員が問い合わせるわけではありません。
その中から一部の人が興味を持ち、さらに一部の人が比較検討し、最終的に問い合わせや購入に進みます。
このような流れを整理すると、どの段階に課題があるのかを考えやすくなります。
たとえば、
- そもそも知られていないのか
- 知られているが興味を持たれていないのか
- 興味はあるが比較段階で離脱しているのか
- 問い合わせはあるが成約につながっていないのか
によって、必要な施策は変わります。
認知段階:まずは知ってもらう
最初の段階は、まだ自社の商品やサービスを知らない人です。
この段階では、いきなり問い合わせを期待するよりも、まず知ってもらうことが大切です。
向いている施策としては、次のようなものがあります。
- SNS広告
- 動画広告
- ディスプレイ広告
- YouTube広告
- PR動画
- 認知向けの記事やコンテンツ
- 地域や業界に向けた発信
この段階では、細かい機能や料金を伝えるよりも、まずは「自分に関係がありそう」と思ってもらうことが重要です。
たとえば、企業向けのサービスであれば、
- どんな課題を解決できるのか
- どんな会社に向いているのか
- なぜ今考える必要があるのか
- 相談すると何が整理できるのか
をわかりやすく伝える必要があります。
認知段階では、売り込みすぎるよりも、相手の課題に気づいてもらう発信が有効です。
興味・情報収集段階:自分ごととして考えてもらう
次に、商品やサービスを知った人が、少し興味を持ち始める段階があります。
この段階のお客さんは、まだ問い合わせるほどではありません。
ただし、何かしら課題を感じていて、情報を集め始めています。
この段階では、サービス紹介だけでなく、課題を整理できるコンテンツが有効です。
たとえば、
- 基礎知識の記事
- よくある課題の解説
- チェックリスト
- 事例紹介
- 比較の考え方
- 導入前に知っておきたいポイント
などです。
ここで大切なのは、「この会社はちゃんと考えてくれそう」と感じてもらうことです。
すぐに問い合わせにつながらなくても、わかりやすい情報を届けることで、将来の相談候補に入る可能性があります。
比較・検討段階:選ばれる理由を伝える
比較・検討段階のお客さんは、すでに課題を認識していて、何らかの解決策を探しています。
この段階では、認知を広げるだけでは不十分です。
「なぜ自社を選ぶべきなのか」を伝える必要があります。
必要になる情報は、次のようなものです。
- 支援内容
- 実績・事例
- 対応できる範囲
- 進め方
- 費用感
- よくある相談内容
- 他社との違い
- 担当者や会社の雰囲気
この段階では、WebサイトやLPの内容が特に重要になります。
広告で興味を持ってもらっても、Webサイトに必要な情報がなければ、問い合わせ前に離脱されることがあります。
比較・検討段階では、安心して問い合わせできる材料を整えることが大切です。
問い合わせ前後:不安を減らす
問い合わせに近い段階のお客さんは、ある程度関心があります。
ただし、まだ不安もあります。
たとえば、
- こんな状態で相談してよいのか
- 予算が決まっていなくても相談できるのか
- 具体的な施策が決まっていなくてもよいのか
- 強く営業されないか
- 自社の状況を理解してもらえるか
といった不安です。
この段階では、問い合わせボタンを目立たせるだけでなく、相談しやすさを伝えることが重要です。
たとえば、
- まだ整理できていない段階でも相談できる
- 必要な範囲だけから相談できる
- 初回は状況整理から始められる
- 色々な取り組みを横断して相談できる
といったメッセージがあると、問い合わせのハードルが下がります。
問い合わせ前後では、「この会社に相談しても大丈夫そう」と思ってもらう設計が大切です。
購入・契約後:継続や紹介につながる
マーケティングは、問い合わせや購入で終わりではありません。
購入後や契約後の体験も大切です。
サービスに満足したお客さんは、継続して依頼してくれたり、別の相談につながったり、知人や取引先に紹介してくれることがあります。
そのためには、契約前だけでなく、契約後のコミュニケーションや成果の見える化も重要です。
たとえば、
- 定期的に状況を共有する
- 実施した施策と結果を整理する
- 次に取り組むべきことを提案する
- 成果だけでなく課題も正直に共有する
- 必要に応じて別施策への展開を考える
といったことが、信頼関係につながります。
マーケティングでは、新規顧客を獲得することだけでなく、既存顧客との関係を育てることも大切です。
ユーザー分類で考えると、施策を選びやすくなる

お客さんの状態は、ざっくり次の3つに分けることもできます。
- 潜在層
- 準顕在層
- 顕在層
それぞれの状態を整理すると、どのような施策が必要か考えやすくなります。
潜在層:まだ必要性に気づいていない人
潜在層は、まだ商品やサービスを知らない、または課題をはっきり自覚していない人です。
この段階では、いきなりサービスを売り込んでも反応しづらいことがあります。
まずは、課題に気づいてもらうことが大切です。
向いている施策は、次のようなものです。
- 認知向け広告
- SNS広告
- 動画
- コラム記事
- 課題提起型のコンテンツ
- 業界や地域向けの情報発信
伝える内容としては、
- こんな課題はありませんか
- 放置するとどんな問題が起きるか
- 他社はどのように取り組んでいるか
- 今考えておくべき理由は何か
といったものが向いています。
準顕在層:課題はあるが、解決策を探している途中の人
準顕在層は、課題は感じているものの、まだ具体的な依頼先や解決策が決まっていない人です。
この段階では、比較の前段階にいることが多く、情報収集をしています。
向いている施策は、次のようなものです。
- 基礎知識記事
- 比較記事
- サービス紹介ページ
- ホワイトペーパー
- 事例コンテンツ
- LPやWebサイトの改善
伝える内容としては、
- 何から始めればよいか
- どの施策が向いているか
- 判断するときのポイント
- よくある失敗
- 相談前に整理しておくとよいこと
などが有効です。
この段階では、専門性を出しすぎるよりも、わかりやすく整理してあげることが大切です。
顕在層:具体的に比較・検討している人
顕在層は、すでにニーズがはっきりしていて、問い合わせや購入に近い人です。
この段階では、選ばれる理由を明確に伝える必要があります。
向いている施策は、次のようなものです。
- 検索広告
- 指名検索対策
- サービス詳細ページ
- 導入事例
- 料金や進め方の説明
- お問い合わせ導線の改善
- リターゲティング広告
伝える内容としては、
- 何を支援できるか
- どのような実績があるか
- どのような流れで進むか
- どこまで対応できるか
- 相談しやすいか
- 他社と何が違うか
などです。
この段階では、迷っている人の背中を押す情報が重要です。
よくある失敗は、全員に同じ情報を届けること

マーケティングでよくある失敗は、すべてのお客さんに同じ情報を届けようとすることです。
たとえば、まだ何も知らない人に細かい料金表だけを見せても、関心を持たれにくいかもしれません。
一方で、すでに比較検討している人に対して、抽象的なブランドメッセージだけを伝えても、問い合わせにはつながりにくいことがあります。
お客さんの状態によって、必要な情報は違います。
だからこそ、
- 認知段階には、課題に気づいてもらう情報
- 情報収集段階には、理解を深める情報
- 比較検討段階には、選ばれる理由
- 問い合わせ前には、不安を減らす情報
を整理することが大切です。
施策を考える前に、お客さんの状態を整理すると、広告、Webサイト、動画、記事などの役割が見えやすくなります。
まとめ
マーケティング施策を考えるときは、いきなり手段から考えるのではなく、お客さんが今どの状態にいるのかを整理することが大切です。
お客さんは、いきなり問い合わせや購入をするわけではありません。
認知し、興味を持ち、情報を集め、比較し、納得してから問い合わせや購入に進みます。
そのため、段階ごとに必要な情報や施策は変わります。
大きく整理すると、次のように考えられます。
- 潜在層には、まず知ってもらう
- 準顕在層には、理解を深めてもらう
- 顕在層には、選ばれる理由を伝える
- 問い合わせ前には、不安を減らす
この流れを整理できると、広告やWebサイト、動画、記事などの役割が明確になります。
CARABAOでは、事業やサービスの状況を伺いながら、どの段階のお客さんに、どのような情報を届けるべきかを一緒に整理します。
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