お客さんの状態に合わせて施策を考える。認知・比較・問い合わせの整理

マーケティング施策を考えるとき、つい「広告を出す」「SNSを更新する」「動画を作る」「Webサイトを改善する」といった手段から考えてしまうことがあります。

もちろん、施策を動かすことは大切です。

ただし、同じ広告やWebサイトでも、誰に向けて届けるのかによって、伝える内容や見せ方は変わります。

たとえば、まだ自社の商品やサービスを知らない人と、すでに比較検討している人では、必要としている情報が違います。

まだ知らない人には、まず存在や価値を知ってもらう必要があります。
一方で、すでに検討している人には、選ばれる理由や安心材料を伝える必要があります。

つまり、マーケティングでは「お客さんが今どの状態にいるのか」を整理することが大切です。

この記事では、お客さんの状態に合わせて施策を考えるための基本を、できるだけわかりやすく整理します。


お客さんは、いきなり問い合わせるわけではない

多くの場合、お客さんはいきなり問い合わせや購入をするわけではありません。

まず何かを知り、興味を持ち、比較し、納得してから問い合わせや購入に進みます。

大きく整理すると、次のような流れです。

  1. まだ知らない
  2. 課題に気づく
  3. 情報を集める
  4. 比較・検討する
  5. 問い合わせる
  6. 購入・契約する
  7. 継続・紹介につながる

この流れの中で、お客さんが必要としている情報は変わります。

まだ知らない段階では、サービスの詳しい料金よりも「そもそもなぜ必要なのか」が大切です。

比較している段階では、実績、事例、費用感、進め方、他社との違いが重要になります。

問い合わせ前の段階では、「相談しても大丈夫そうか」「自社に合いそうか」「どこまで対応してくれるのか」といった安心感が必要になります。

このように、お客さんの状態によって、届けるべき情報は変わります。


ファネルとは、お客さんの状態を整理する考え方

お客さんの状態を整理する考え方のひとつに「ファネル」があります。

ファネルとは、直訳すると「漏斗」という意味です。

マーケティングでは、認知から問い合わせ・購入に進むまでに、人数が少しずつ絞られていく流れを表すときに使われます。

たとえば、広告やSNSで多くの人に知ってもらったとしても、その全員が問い合わせるわけではありません。

その中から一部の人が興味を持ち、さらに一部の人が比較検討し、最終的に問い合わせや購入に進みます。

このような流れを整理すると、どの段階に課題があるのかを考えやすくなります。

たとえば、

  • そもそも知られていないのか
  • 知られているが興味を持たれていないのか
  • 興味はあるが比較段階で離脱しているのか
  • 問い合わせはあるが成約につながっていないのか

によって、必要な施策は変わります。


認知段階:まずは知ってもらう

最初の段階は、まだ自社の商品やサービスを知らない人です。

この段階では、いきなり問い合わせを期待するよりも、まず知ってもらうことが大切です。

向いている施策としては、次のようなものがあります。

  • SNS広告
  • 動画広告
  • ディスプレイ広告
  • YouTube広告
  • PR動画
  • 認知向けの記事やコンテンツ
  • 地域や業界に向けた発信

この段階では、細かい機能や料金を伝えるよりも、まずは「自分に関係がありそう」と思ってもらうことが重要です。

たとえば、企業向けのサービスであれば、

  • どんな課題を解決できるのか
  • どんな会社に向いているのか
  • なぜ今考える必要があるのか
  • 相談すると何が整理できるのか

をわかりやすく伝える必要があります。

認知段階では、売り込みすぎるよりも、相手の課題に気づいてもらう発信が有効です。


興味・情報収集段階:自分ごととして考えてもらう

次に、商品やサービスを知った人が、少し興味を持ち始める段階があります。

この段階のお客さんは、まだ問い合わせるほどではありません。

ただし、何かしら課題を感じていて、情報を集め始めています。

この段階では、サービス紹介だけでなく、課題を整理できるコンテンツが有効です。

たとえば、

  • 基礎知識の記事
  • よくある課題の解説
  • チェックリスト
  • 事例紹介
  • 比較の考え方
  • 導入前に知っておきたいポイント

などです。

ここで大切なのは、「この会社はちゃんと考えてくれそう」と感じてもらうことです。

すぐに問い合わせにつながらなくても、わかりやすい情報を届けることで、将来の相談候補に入る可能性があります。


比較・検討段階:選ばれる理由を伝える

比較・検討段階のお客さんは、すでに課題を認識していて、何らかの解決策を探しています。

この段階では、認知を広げるだけでは不十分です。

「なぜ自社を選ぶべきなのか」を伝える必要があります。

必要になる情報は、次のようなものです。

  • 支援内容
  • 実績・事例
  • 対応できる範囲
  • 進め方
  • 費用感
  • よくある相談内容
  • 他社との違い
  • 担当者や会社の雰囲気

この段階では、WebサイトやLPの内容が特に重要になります。

広告で興味を持ってもらっても、Webサイトに必要な情報がなければ、問い合わせ前に離脱されることがあります。

比較・検討段階では、安心して問い合わせできる材料を整えることが大切です。


問い合わせ前後:不安を減らす

問い合わせに近い段階のお客さんは、ある程度関心があります。

ただし、まだ不安もあります。

たとえば、

  • こんな状態で相談してよいのか
  • 予算が決まっていなくても相談できるのか
  • 具体的な施策が決まっていなくてもよいのか
  • 強く営業されないか
  • 自社の状況を理解してもらえるか

といった不安です。

この段階では、問い合わせボタンを目立たせるだけでなく、相談しやすさを伝えることが重要です。

たとえば、

  • まだ整理できていない段階でも相談できる
  • 必要な範囲だけから相談できる
  • 初回は状況整理から始められる
  • 色々な取り組みを横断して相談できる

といったメッセージがあると、問い合わせのハードルが下がります。

問い合わせ前後では、「この会社に相談しても大丈夫そう」と思ってもらう設計が大切です。


購入・契約後:継続や紹介につながる

マーケティングは、問い合わせや購入で終わりではありません。

購入後や契約後の体験も大切です。

サービスに満足したお客さんは、継続して依頼してくれたり、別の相談につながったり、知人や取引先に紹介してくれることがあります。

そのためには、契約前だけでなく、契約後のコミュニケーションや成果の見える化も重要です。

たとえば、

  • 定期的に状況を共有する
  • 実施した施策と結果を整理する
  • 次に取り組むべきことを提案する
  • 成果だけでなく課題も正直に共有する
  • 必要に応じて別施策への展開を考える

といったことが、信頼関係につながります。

マーケティングでは、新規顧客を獲得することだけでなく、既存顧客との関係を育てることも大切です。


ユーザー分類で考えると、施策を選びやすくなる

お客さんの状態は、ざっくり次の3つに分けることもできます。

  1. 潜在層
  2. 準顕在層
  3. 顕在層

それぞれの状態を整理すると、どのような施策が必要か考えやすくなります。


潜在層:まだ必要性に気づいていない人

潜在層は、まだ商品やサービスを知らない、または課題をはっきり自覚していない人です。

この段階では、いきなりサービスを売り込んでも反応しづらいことがあります。

まずは、課題に気づいてもらうことが大切です。

向いている施策は、次のようなものです。

  • 認知向け広告
  • SNS広告
  • 動画
  • コラム記事
  • 課題提起型のコンテンツ
  • 業界や地域向けの情報発信

伝える内容としては、

  • こんな課題はありませんか
  • 放置するとどんな問題が起きるか
  • 他社はどのように取り組んでいるか
  • 今考えておくべき理由は何か

といったものが向いています。


準顕在層:課題はあるが、解決策を探している途中の人

準顕在層は、課題は感じているものの、まだ具体的な依頼先や解決策が決まっていない人です。

この段階では、比較の前段階にいることが多く、情報収集をしています。

向いている施策は、次のようなものです。

  • 基礎知識記事
  • 比較記事
  • サービス紹介ページ
  • ホワイトペーパー
  • 事例コンテンツ
  • LPやWebサイトの改善

伝える内容としては、

  • 何から始めればよいか
  • どの施策が向いているか
  • 判断するときのポイント
  • よくある失敗
  • 相談前に整理しておくとよいこと

などが有効です。

この段階では、専門性を出しすぎるよりも、わかりやすく整理してあげることが大切です。


顕在層:具体的に比較・検討している人

顕在層は、すでにニーズがはっきりしていて、問い合わせや購入に近い人です。

この段階では、選ばれる理由を明確に伝える必要があります。

向いている施策は、次のようなものです。

  • 検索広告
  • 指名検索対策
  • サービス詳細ページ
  • 導入事例
  • 料金や進め方の説明
  • お問い合わせ導線の改善
  • リターゲティング広告

伝える内容としては、

  • 何を支援できるか
  • どのような実績があるか
  • どのような流れで進むか
  • どこまで対応できるか
  • 相談しやすいか
  • 他社と何が違うか

などです。

この段階では、迷っている人の背中を押す情報が重要です。


よくある失敗は、全員に同じ情報を届けること

マーケティングでよくある失敗は、すべてのお客さんに同じ情報を届けようとすることです。

たとえば、まだ何も知らない人に細かい料金表だけを見せても、関心を持たれにくいかもしれません。

一方で、すでに比較検討している人に対して、抽象的なブランドメッセージだけを伝えても、問い合わせにはつながりにくいことがあります。

お客さんの状態によって、必要な情報は違います。

だからこそ、

  • 認知段階には、課題に気づいてもらう情報
  • 情報収集段階には、理解を深める情報
  • 比較検討段階には、選ばれる理由
  • 問い合わせ前には、不安を減らす情報

を整理することが大切です。

施策を考える前に、お客さんの状態を整理すると、広告、Webサイト、動画、記事などの役割が見えやすくなります。


まとめ

マーケティング施策を考えるときは、いきなり手段から考えるのではなく、お客さんが今どの状態にいるのかを整理することが大切です。

お客さんは、いきなり問い合わせや購入をするわけではありません。

認知し、興味を持ち、情報を集め、比較し、納得してから問い合わせや購入に進みます。

そのため、段階ごとに必要な情報や施策は変わります。

大きく整理すると、次のように考えられます。

  • 潜在層には、まず知ってもらう
  • 準顕在層には、理解を深めてもらう
  • 顕在層には、選ばれる理由を伝える
  • 問い合わせ前には、不安を減らす

この流れを整理できると、広告やWebサイト、動画、記事などの役割が明確になります。

CARABAOでは、事業やサービスの状況を伺いながら、どの段階のお客さんに、どのような情報を届けるべきかを一緒に整理します。

具体的な施策が決まっていない段階でも、課題整理からご相談いただけます。

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